昔々、中国の王さまのもとに、遠い国から一冊の本が送られてきました。 そこには、「中国の王さまの御殿は、世界一すばらしい。でも、本当に一番すばらしいのは、そのお庭のナイチンゲールの声。」と、書かれてありました。 「わしの庭に住んでいるらしいナイチンゲールとやらを、今夜中に探してまいれ。」 大臣と家来たちはご殿中探しましたが、どこにいるのかわかりません。 困っていると、台所で働く小さい娘が「その鳥なら、毎晩、病気の母さんに食べ物を届けに行くとき、森の中でいい声で歌ってくれるわ。」と言いました。 みんなは、娘を先頭にぞろぞろと森へ出掛けました。 森の奥から、鈴を振るような、きれいな歌声が響いてきます。 「しっ、あれがナイチンゲールよ。」 娘は、枝にとまっている灰色の小鳥に言いました。 「王さまに、あなたの歌を聞かせてあげて。」 娘の頼みを聞いて、ナイチンゲールは、その晩、王さまのご殿にやってきました。 ナイチンゲールは王さまの前で歌いました。 王さまははらはらと涙をこぼして言いました。 「なんてすばらしいのだ。どうか、いつまでもわしのそばにいてくれ。」 その日から、ナイチンゲールはりっぱな鳥かごをいただいて、ご殿で暮らすようになりました。 さて、ナイチンゲールがやっとご殿の暮らしに慣れたころ、遠い国から王さまへ贈り物が届きました。 それはダイヤモンドとルビーで飾られた美しい金のウグイスで、ネジを巻くと尾を振って、それは見事に歌うのでした。
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